遺産分割協議書のひな形やテンプレートを使用するメリットとデメリットについて弁護士が解説
はじめに
遺産分割協議書は、相続人全員が「誰が何を相続するか」に合意した内容を明文化する重要な書類です。不動産の名義変更や預貯金の解約、相続税申告などの各種相続手続きにおいて、遺産分割協議書の提出が必要となるケースが多く見られます。
この記事では、ウェブサイト上にある遺産分割協議書のひな形やテンプレートを使用する際の利点と注意点を整理するとともに、必要に応じて専門家に相談すべき場面についてもご紹介します。
遺産分割協議書の作成に不安を感じる方にとって、判断材料の一つとなれば幸いです。
遺産分割協議書とは
遺産分割協議書とは、相続人全員で遺産の分け方について話し合い、合意した内容を文書化したものです。
この書面は、不動産の名義変更や金融機関での被相続人名義の預貯金解約手続、相続税の申告などで提出が求められる重要な書類です。
なお、遺産分割の合意自体は書面がなくても法律上は有効とされます。ですが、上記のような手続きに遺産分割協議書が必要となる場合が多いほか、合意後の相続人間のトラブル予防のためにも、協議書として合意内容を書面化することは大切です。
遺産分割協議書は自分でも作れる?
法律上、遺産分割協議書の作成には決まった形式はありません。そのため、相続人が合意した内容を文書にまとめれば、自作したものであっても有効です。
ただし、金融機関や法務局での手続きでは、一定の記載事項や形式が求められるため、実務上は、求めに応じた記載が必要です。
一般的には、以下のような記載があると、手続きを円滑に進めやすくなります。
✓ 被相続人の氏名、生年月日、死亡日、本籍地、最後の住所
✓ 相続人全員の氏名・住所・続柄
✓ 誰がどの財産を取得するかの具体的な記載
✓ 相続人全員の署名・押印(実印)
また、相続手続きでは、一定の期限内の印鑑証明書の提出を求められることも多いです。
ひな型やテンプレートは使用しても大丈夫?
①メリット
✓ 作成の参考になる:ひな形やテンプレートには基本的な構成や文言が提示されており、
何を記載すべきか理解しやすくなります。
✓ 記載漏れの予防:ひな形やテンプレートを参考にすることで、
必要最低限の項目の書き忘れや、表現ミスを防ぐ助けとなります。
✓ 作業の効率化:一から文章を考える必要がなく、時間や労力の削減につながります。
当事務所のウェブサイトでは、「遺産分割協議書のひな型・テンプレート」をご紹介しています。記入例や注意点付きで、初めての方にも使いやすい内容となっております。ぜひご活用ください。
② デメリット・リスク
✓ すべてのケースに対応しているわけではない:テンプレートによっては、
代償分割や特別受益等の複雑な法律関係の整理や、
相続人に未成年者がいる、共有持分のある不動産が含まれるなどの、
特殊事情や個別事情への対応は難しいことがあります。
✓ 形式が不適切な場合がある:金融機関や法務局で認められる形式でないと、
手続きができない可能性があります。
そのため、必要に応じて、事前に金融機関等に形式の確認が必要となります。
✓ 個別事情に対応していない、形式に不備があるなどすると、
遺産分割協議書として効力を発揮できず、
再度作り直す必要がでてくることがあります。
遺産分割を弁護士に依頼するメリット
ひな形・テンプレートでの遺産分割協議書の作成が不安・難しいと感じた方は、遺産分割の手続きを弁護士に依頼することを検討すると良いです。
遺産分割協議書の作成を弁護士に依頼することで、以下のような利点があります。
①手続きの正確性・確実性の確保
戸籍謄本の収集による相続人調査や、不動産・預貯金などの相続財産調査に漏れがないよう、法的観点から確認・整理を行うことができます。
② トラブルの未然防止
遺産分割協議書の内容を精査してもらうことで、不明確な記載や記載漏れのリスクを避けることができます。これにより、相続人間での将来のトラブルを防止することが可能となります。
③ 相続人間の調整と合意形成のサポート
仮に、相続人間で意見が対立してしまった場合でも、専門家としての冷静な立場から、適切な助言や交渉を受けた上で、遺産分割協議書を作成してもらうことが可能になります。
なお、このように、相続人間での交渉を代理しつつ、遺産分割協議書の作成ができるのは、弁護士だけです。司法書士や税理士等の他の資格者は、相続人間での交渉を代理することは、法律上認められていません。
④ 調停・審判への対応
万が一、遺産分割協議がまとまらなかった場合でも、遺産分割調停や審判など、裁判所での対応も弁護士に一貫して任せることができます。
千葉県で相続・遺産分割トラブルにお悩みなら弁護士法人とびら法律事務所へ
遺産相続はほぼ全ての方が直面する法的な問題です。弁護士の元までは来ないで解決する方も多いですが、実際はモヤモヤが残っていたり、これまでの人間関係に変化が起こったりします。相続は、家族や親族間の争いですから、きっと本心では紛争が深刻化するのは避けたいのではないかと思います。私たちはできるかぎり争いが深まらないようお気持ちの部分から向き合い、相手方との関係も考慮して、丁寧に交渉を進めます。
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・千葉市緑区出身
・千葉県立千葉高校卒業
・早稲田大学教育学部卒業
・千葉大学大学院専門法務研究科修了
・千葉大学大学院専門法務研究科にて法律文書の作成指導
・千葉市内の法律事務所にて実務経験を積み、とびら法律事務所設立
・3児の父