相続放棄したら、財産の管理はしなくても大丈夫ですか?
相続放棄をした後も、放棄時に相続財産を現実に占有しているときは、他の相続人または相続財産清算人にその相続財産を引き渡すときまで、財産の管理義務を負います。
実家の土地建物のような不動産が典型例です。
ご両親が亡くなり、ご実家が古く、空き家になったとします。事情があり、あなたが相続放棄をした場合でも、あなたが実家に住んでいて占有をしていれば、他の相続人や相続財産清算人に実家の管理を引き継ぐまでは、あなたに管理義務が残ることになります。この管理義務は、高度な注意義務が課されているわけではありませんが、例えば、塀の倒壊のリスクがあり、倒壊しないようにする補強を怠っていた場合は、通行人に怪我をさせたりしたら、損害賠償義務を負います。
他の相続人に相続財産を引き継げればいいのですが、全員相続放棄した場合など誰も引き継いでくれない場合は、相続財産清算人の選任を家庭裁判所に申し立てることになります。相続財産清算人は、弁護士などの専門職が就くことも多く、清算人への報酬を申立時に裁判所に納める必要があります。数十万円程度はかかるので、ご自身が管理を継続することとどちらが良いかご判断いただくことになります。
この記事を担当した専門家
弁護士法人とびら法律事務所
代表弁護士
鶴岡 大輔
保有資格弁護士資格、 夫婦カウンセラー(一般財団法人日本能力開発推進協会認定)
専門分野相続、離婚
経歴
・千葉市緑区出身
・千葉県立千葉高校卒業
・早稲田大学教育学部卒業
・千葉大学大学院専門法務研究科修了
・千葉大学大学院専門法務研究科にて法律文書の作成指導
・千葉市内の法律事務所にて実務経験を積み、とびら法律事務所設立
・3児の父