遺言の内容と異なる遺産分割はできますか?
遺言書があっても、原則として、相続人全員で合意をすれば、遺言書の内容と異なる遺産分割とすることが出来ます。
例えば、長男に自宅不動産を取得させて、預貯金などは妻と長女で分けるという内容の遺言書であったとしても、相続人全員が合意すれば、妻(子ども達からすれば母)が自宅不動産に住む必要があるので、妻が自宅を取得し、預貯金は子ども達で分けるというような遺産分割も可能です。
ただし、遺言書の中に相続人以外の第三者への遺贈が含まれている場合は、その遺贈を受けた受遺者の同意がないと、遺言書と異なる合意はできません。受遺者の利益を害することはできないからです。
さらに、遺言書で遺言執行者が定められている場合は、相続人と受遺者の同意だけで遺言書の内容と異なる遺産分割協議を行えるかは争いがあります。
統一的な見解はありませんが、統一的な見解が無い以上、遺言執行者の同意も得ておいた方が確実でしょう。
この記事を担当した専門家
弁護士法人とびら法律事務所
代表弁護士
鶴岡 大輔
保有資格弁護士資格、 夫婦カウンセラー(一般財団法人日本能力開発推進協会認定)
専門分野相続、離婚
経歴
・千葉市緑区出身
・千葉県立千葉高校卒業
・早稲田大学教育学部卒業
・千葉大学大学院専門法務研究科修了
・千葉大学大学院専門法務研究科にて法律文書の作成指導
・千葉市内の法律事務所にて実務経験を積み、とびら法律事務所設立
・3児の父