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家族信託は遺留分の対象になる?裁判例に基づき弁護士が解説!

家族信託は遺留分の対象になる?裁判例に基づき弁護士が解説!
家族信託は、親が元気なうちに、子どもなど信頼できる家族へ財産の管理を任せる仕組みです。

認知症に備えて不動産や預貯金の管理を任せたり、本人が亡くなったあとの財産の引き継ぎ方を決めたりするために利用されます。

しかし、家族信託を利用しても、遺留分の問題がなくなるわけではありません。

特定の家族に多くの財産や利益を引き継がせる内容にすると、ほかの相続人から遺留分を請求される可能性があります。

この記事では、家族信託と遺留分の関係について、実際の裁判例を踏まえて解説します。そもそも家族信託とは?

家族信託とは、財産を持っている人が、家族にその財産の管理を任せる仕組みです。

たとえば、父が、自宅や預貯金、賃貸アパートの管理を長男に任せ、家賃などの利益は父が受け取る契約を結ぶことができます。

この場合、それぞれを次のように呼びます。

  • 財産を託す父:委託者
  • 財産を管理する長男:受託者
  • 財産から利益を受ける父:受益者

家族信託を利用すると、父が認知症になったあとも、長男が契約内容に従って、不動産の管理や修理、介護費用の支払いなどを進めやすくなります。

また、父が亡くなったあとに誰が利益を受け、信託が終了したときに誰が財産を受け取るのかを、あらかじめ決めることもできます。

家族信託でも遺留分が問題になる

遺留分とは、亡くなった人の配偶者や子どもなどに法律上保障されている、最低限の取り分です。

たとえば、父が全財産を長男に渡すと決めても、二男や長女に遺留分があれば、長男に対してお金の支払いを求められることがあります。これを「遺留分侵害額請求」といいます。

家族信託によって財産を引き継ぐ場合も、遺留分と無関係ではありません。

家族信託では、財産から家賃や売却代金などを受け取る権利を「受益権」といいます。ほかの相続人にも受益権を与えていても、その受益権に十分な経済的価値がなければ、遺留分が問題になる可能性があります。

そのため、形式上どのような割合の受益権を与えたかだけでなく、その人が実際にどの程度の利益を受けられるかを考える必要があります。

家族信託と遺留分が問題になった裁判例

家族信託と遺留分の関係が争われた裁判例として、東京地裁平成30912日判決があります。

この事案では、父が、所有するすべての不動産などを家族信託に入れました。父が亡くなったあとの受益権は、長男に6分の1、二女に6分の1、二男に6分の4とされていました。

長男には遺留分と同じ割合の受益権が与えられていたため、表面上は遺留分に配慮しているようにも見えました。

しかし、信託された不動産の中には、売却や賃貸をする予定がなく、その価値に見合う収益を得られない自宅や土地が含まれていました。そのため、長男は受益権を持っていても、不動産の価値に見合う利益を得ることが難しい状態でした。

裁判所は、経済的な利益の分配が予定されていない不動産を信託財産に含めた部分について、遺留分制度を避ける目的で信託を利用したものとして、公序良俗に反し無効であると判断しました。

この裁判例を踏まえると、家族信託を作る際には、各相続人にたいして「名目上、受益権を与えているか」だけでなく、「受益権に実際にどの程度の経済的価値があるのか」まで考えて作ることが大切です。

遺留分トラブルを防ぐためのポイント

家族信託を利用したからといって、必ず遺留分を侵害するわけではありません。

トラブルを防ぐためには、次のような対策が考えられます。

  • 信託に入れない預貯金を、ほかの相続人に残す
  • ほかの相続人にも、実際に利益を受けられる受益権を与える
  • 遺留分を請求された場合に支払える現金を準備する
  • 遺言書や生命保険と家族信託を組み合わせる
  • 信託の目的や内容を家族へ説明する

家族へ説明して理解を得ても、法律上の遺留分が当然になくなるわけではありません。

信託する財産だけでなく、信託に入れない財産も含めて、財産全体のバランスを考えることが重要です。

家族信託でお悩みの方は当事務所へご相談を

家族信託は便利な制度ですが、使い方を間違えると、かえって相続争いの原因になります。

特に、次のようなお悩みがある方は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

  • 一人の子どもに不動産を引き継がせたい
  • ほかの相続人から遺留分を請求されないか心配
  • すでに作った家族信託の内容を見直したい
  • 親の認知症対策と相続対策を一緒に進めたい
  • 兄弟姉妹の間でもめる可能性がある
  • 家族信託と遺言書のどちらを使うべきか分からない

家族信託は、一度契約を結ぶと、本人の判断能力が低下したあとに簡単に変更できないことがあります。

そのため、契約を結ぶ前に、財産全体の内容、相続人の関係、遺留分の見込みを整理しておくことが大切です。

当事務所では、家族信託の契約だけでなく、遺言書の作成、遺留分対策、相続人との交渉など、相続全体を見すえたサポートを行っています。

家族信託のご相談をお考えの方は、以下のページもご覧ください。

▼家族信託のご相談をお考えの方へ▼
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家族信託と遺留分について不安がある方は、トラブルになる前に、まずは当事務所へご相談ください。

また、当事務所では、初回45分までの相続無料相談を実施しており、実際にご相談いただいた方からは、以下のような声を頂戴しております。

「弁護士さんに相談するのは気持ち的にもハードルが高かったのですが、明るく穏和な先生で、弁護士さんに対するイメージが変わりました」

「相続に当たり債務調査、財産調査をお願いし、的確かつ丁寧に進めて頂け滞りなく終結出来ました」

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