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公務員が収益不動産を相続する際の注意点とは?弁護士が解説

公務員 収益不動産
相続によって、親や親族が所有していたアパートや賃貸マンションなどの収益不動産を取得するケースがあります。

公務員の方が収益不動産を相続する場合、

「家賃収入は副業に当たるのか」
「相続した不動産をそのまま貸して良いのか」
「勤務先に許可や届出が必要なのか」

といった点が気になる方も多いのではないでしょうか。

公務員であっても、収益不動産を相続すること自体が禁止されているわけではありません。もっとも、相続後に不動産賃貸を継続する場合には、公務員の兼業規制との関係で注意が必要になることがあります

この記事では、公務員が収益不動産を相続する際の注意点や、よくあるトラブルについて、弁護士が分かりやすく解説します。

公務員の相続と会社員の相続の違いとは?

公務員であっても、相続人としての立場そのものが会社員と異なるわけではありません。親族が亡くなった場合には、法律に従って相続人となり、預貯金や不動産などの遺産を相続することになります。

もっとも、公務員には会社員と異なり、営利企業への従事や、自ら営利企業を営むことについて、法令上の制限があります。

そのため、相続財産の中に収益不動産が含まれている場合には、通常の相続手続だけでなく、公務員としての兼業規制もあわせて確認することが重要です

賃貸マンション、アパート、駐車場などを相続し、継続的に賃料収入を得る場合には、不動産賃貸が「自営」に当たるかどうかが問題になります。

そもそも不動産収入は副業に当たるのか?

公務員が収益不動産を相続し、そこから賃料収入を得る場合でも、直ちに違法な副業になるとは限りません。

たとえば、親が所有していた賃貸家屋1棟を相続し、管理会社に管理を委託しているような場合には、単なる資産管理の範囲として扱われることがあります。

一方で、一定規模を超える不動産賃貸については、兼業禁止との関係で注意が必要です。

国家公務員、地方公務員とも、それぞれ法令で、自ら営利企業を営むこと(自営)は原則として制限されています。

また、国家公務員は人事院規則に基づき、次のような場合には「自営」に当たるものとして扱われます。

・独立家屋が5棟以上

・アパート等が10室以上

・駐車場が10台以上

・賃貸料収入年額が1000万円以上

そのため、相続した収益不動産が一定規模を超える場合には、自己判断せず、勤務先の担当部署に早めに確認することが大切です。

なお、不動産賃貸が「自営」に当たる場合も、事情によっては、承認や許可が認められる余地はあります。ただし、承認の可否や必要な手続きは所属先や職種、実際の関与状況によって異なることがあります。

また、承認や許可が得られない場合には、そのまま賃貸経営を継続することが難しいこともあります。その場合には、物件の売却や他の相続人による取得、管理方法の見直しなど、具体的な対応を検討する必要があります。

さらに、相続後に速やかに売却する予定であっても、売却までの間に賃料収入が発生する場合があります。規模が大きい物件では、売却予定でも事前確認をしておく方が安心です。

賃貸物件を相続した場合の注意点とは?

賃貸マンションやアパートを相続する場合には、不動産そのものだけでなく、賃貸借契約や管理関係も引き継ぐことになります。

そのため、例えば次のような点を確認する必要があります。

  • 入居者との賃貸借契約
  • 敷金の管理状況
  • 管理会社との契約内容
  • 修繕の必要性や負担関係
  • 家賃滞納の有無と対応状況

また、相続開始後(被相続人が死亡した後)に発生した賃料を誰が取得するのか、修繕費や管理費を誰が負担するのかを巡って、相続人間で意見が分かれることもあります。

さらに、収益不動産は、「家賃収入がある財産」と見られがちです。しかし実際には、空室リスク、修繕費、管理費、ローン返済などの負担もあります。

そのため、表面的な賃料収入だけでなく、実際の収支や管理負担まで確認することが重要です。

駐車場を相続した場合の注意点とは?

駐車場経営でも、兼業禁止との関係が問題になることがあります。

例えば、駐車台数が10台以上の場合には、人事院規則の「自営」に当たります。

また、駐車場を相続した場合には、次のような点も確認が必要です。

  • 契約者との契約内容
  • 滞納の有無
  • 管理会社との契約内容
  • 舗装や設備の維持管理の状況
  • 固定資産税などの負担

「駐車場だから問題ない」とは限りません

規模や管理実態を踏まえて確認することが重要です。

不動産の相続でよくあるトラブル

収益不動産の相続では、相続人間で意見が分かれやすい傾向があります。

例えば、

  • 不動産を売却したい相続人がいる
  • 家賃収入を得るために残したい相続人がいる
  • 管理や修繕の負担を避けたい相続人がいる

といったケースがあります。

また、収益不動産は一見すると価値のある財産に見えますが、実際には修繕費やローン返済、空室リスクを考えると、思ったほど利益が残らないこともあります。

さらに、公務員が相続人である場合には、収益性だけでなく、兼業規制との関係や、管理への関与の程度も確認する必要があります。

そのため、収益不動産を相続する場合には、不動産の評価額だけでなく、実際の収支、管理負担、相続人間の公平性を含めて検討することが大切です

不動産の相続を自分で進めるリスクとは?

収益不動産の相続では、法律、不動産管理、税務、公務員の服務規律など、複数の問題が関係します。

例えば、遺産分割協議では、不動産を誰が取得するのか、売却するのか、共有にするのかを決める必要があります。また、相続開始後の賃料収入や管理費、修繕費の扱いも整理しなければなりません。

また、公務員の場合には、相続後の不動産賃貸が「自営」に当たるかどうか、勤務先への確認や承認が必要かどうかも問題になります。

これらを十分に整理しないまま進めると、相続人間の不公平感が強まったり、後から公務員の兼業規制との関係で問題になったりするおそれがあります。

収益不動産を含む相続は、たんに名義を移せば終わるものではありません

早い段階で状況を整理し、必要に応じて専門家に相談することが重要です。

公務員の不動産の相続でお悩みなら弁護士法人とびら法律事務所へ

公務員が収益不動産を相続する場合には、通常の不動産相続に加えて、公務員の兼業規制との関係にも注意が必要です。

また、収益不動産は、家賃収入がある一方で、管理や修繕、空室リスクなどの負担もあります。相続人間で「売却するのか」「誰が取得するのか」「賃料や費用をどう扱うのか」について意見が分かれることも少なくありません。

特に、公務員の方は、相続の問題と服務上の問題を切り分けて考える必要があります。
そのため、早い段階で状況を整理しておくことで、見通しを立てやすくなり、相続人間の調整もしやすくなります。

当事務所では、収益不動産を含む相続について、遺産分割協議、相続人間の交渉、遺産分割調停、不動産売却を見据えた法的整理などに対応しております。

遺産相続はほぼ全ての方が直面する法的な問題です。弁護士の元までは来ないで解決する方も多いですが、実際はモヤモヤが残っていたり、これまでの人間関係に変化が起こったりします。相続は、家族や親族間の争いですから、きっと本心では紛争が深刻化するのは避けたいのではないかと思います。私たちはできるかぎり争いが深まらないようお気持ちの部分から向き合い、相手方との関係も考慮して、丁寧に交渉を進めます。

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